モダン国家 ~ブータンそのⅠ~


 早朝のブータン。
 パロ空港。
 思いのほか寒くない。
 出迎えてくれたガイドさんとはすんなり友達になれそうで、ほっとする。


パロ空港


パロ空港





シムトカ・ゾン
シムトカ・ゾン。
 ブータン初日、一人目の僧侶から、スマホ片手に現れる。
 同じくタンゴ・チョイン・ゾン。山の上の寺院。修復にあたる人々の、昔と変わらないひと時にも、例外なくスマホがある。







タンゴ・チョイン・ゾン
~山の上の寺院修復にあたる家族~


タンゴ・チョイン・ゾン


タンゴ・チョイン・ゾン


タンゴ・チョイン・ゾン

タンゴ・チョイン・ゾン


タンゴ・チョイン・ゾン
~山門風景~



 ドルン・コンパ。ブータン、2日目も山登り。
 ガイドさんは
「観光客は通常登らない寺院です」
「ルートの安全性を約束できないです」
「実際のところ、わたしも登ったことがないです」
 と最大限の逃げ腰を表現していたが、今回の旅の同行者は
「そういうところだから行くんです」
「初めてなら道を覚えるいい機会」
 と一向にあとに引かない。
(楽させないよぉ)
(どんどん攻めちゃうよぉ)
 悪い笑みを浮かべながら登っていく。

 1時間ほどで寺院までたどり着くとガイドさんは、「ドルン・コンパ、すばらしい、お二人のおかげです」と気持ちを切り替えて山門で僧侶と粘り強く交渉してくれた。
 結果は、昨日から三年間瞑想に入った修行僧がいるため中には入れない、とのこと。
 翌日からはもうなにも不満は言わず、「ハイキング楽しい?」と訊いてくるガイドさん。
 その度にぼくは、あいまいに頷いて、いいガイドさんだなあ、と思う。



ドルン・コンパ


ドルン・コンパ

ドルン・コンパ

 3日目も山登り。シンゲダ寺院。
 はっきりした山門がなく進みあぐねていると、どこからともなく一頭の牛が現れナビゲートする。それについていったら自分だけ道を間違えた。


3日目も山登り シンゲダ寺院
~ オレについてこい的な牛 ~


シンゲダ寺院


 ところでブータンの猫事情。基本的に犬の大国であるため数えるほどしか彼らを見ない。寒さを乗り切っても、あれだけ野犬がいれば襲われるものも少なくないのだろうと思うと切ない。
(子犬と子猫の間は仲良くじゃれ合って)



ブナの生霊
~猫、見ないなぁと思っていると、
窓に映る姿があまりにブナに酷似したのが現れて
名前を叫んでしまう~

パロ・ゾンの看板猫(後ろ姿)

パロ・ゾンの看板猫(前姿)

しつこくじゃれつかれてついにイラったきた猫におののく子犬




ダンシングポリス
首都ティンプー。
 信号機がない国、ブータン。代わりにロボダンスポリスみたいのがひたすらさばいてる。
 外資系チェーン店を入れないブータン。「ユニクロ」と書かれた看板はあるが、その昔ユージと名乗る人物が並行輸入してお店を開いたらしい。今はユージの行方は知れないらしい。
 右を向いても左を向いてもなにがしかの工事中だが、都市的な様式は寄せつけない。
 景観配慮なのか、大事にする部分が違うのか。

 一方で、女性の雰囲気は垢ぬけている。可憐ではないのに、清楚である。気品よりも高潔なものを感じる。日々に向かって、正直に見える。思い切り直観的に言えば。
 そしてこれは男女問わず、面立ちがとても日本人に近い。この人絶対会ったことあるよね、って人ばかりにすれ違う。
 また、会話のトーンも違和感がない。騒ぎ過ぎず。湿りすぎない。

 ここでなら、明日から生活ができる気がする。





ブータンぶらんこ



パンリ・ザンパ

パンリ・ザンパ


首都ティンプー
~半日あれば中心街を完歩できる~



 夜半、21時くらいになると首都ティンプーは野犬の討論会議事堂になる。
 ホテルに耳栓が置いてある謎が解ける。
 昼間の彼らの純粋な優しい眼差しを見てなかったら、山の上のホテルへの月あかりの帰り道、あれだけ吠えられて恐怖を感じなかった自信がない。




夜のティンプー 
~なにかゲームに興じる若者~
夜のティンプー 
~人より野犬が主役の街になる~


夜のティンプー 
~四方から犬の遠吠えが近付いてくる~

どこかの坂道 どこを見ても犬






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