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6月, 2017の投稿を表示しています

If I Have To Go ~Tom Waits~

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 Tom Waitsを聴き ながら、ただただ雨に泪するようになった。こうやって少しずつ、ロートルになってくんだろなぁ、と思う。  今度、日本語で歌ってみようかと、しみじみ、しみじみ、言葉を味わってみる。  いんやぁ、やっぱりアメリカンだなぁ、この人の歌は、と改めて感じる。 If I have to go will you remember me will you find someone else while I'm away there's nothing for me in this world full of strangers it's all someone else's idea I don't belong here and you can't go with me you'll only slow me down until I send for you don't wear your hair that way if you cannot be true I'll understand tell all the others you'll hold in your arms that I said I'd come back for you I'll leave my jacket to keep you warm that's all that I can do if I have to go will you remember me will you find someone else while I'm away もしもあすには、 もう会えないとしても 君には僕が、見えるかな 知らない間に 知らない誰かを 見つけてしまうのかな 後ろ髪を 束ねて 待っていてくれるかな 手紙が着くまで、 そのままでいてほしい 髪形も 昔のままで 君が正直になんて なれやしないと 分かってるから 君のために jacketを あたためおくよ もしもあすには、 もういないとしても 君には僕が、見えるかな

猫の手

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 遅く起きた週末。ブナ(猫)は定時の起床時間から何度も頬に手をおいてくる。朝だよ 。遅刻するよ。丁寧 に、爪が当たらないように。ピト、っと。 (それでも4回に1回、意図はなくとも爪が唇に引っかかって痛い)    不思議な明け方だった。  海岸通りは、太陽を出迎える前の、少し緊張した面持ち。4時のジョギングに目覚ましをセットしたくせに、体がダル過ぎて起き上がれなかった未明。普段なら熟睡している時分から、彼はずっと、ぼくの顔に手を置く動作を繰り返し続けた。起きるんじゃなかったのか、と。 (終いには妙に痛いと思ったら、鼻を噛んでいた)  もう、いいんだよ。もう、いいんだ。ありがとう。  と伝えると、納得したように布団に潜り込んでまた眠り始める。  今はお前を通してしか語られないぬくもりがある。  お前を通してしか触れられないやさしさがある  それは、お前を救いあげた誰かの、やさしさと、手のぬくもりだと思う。

アレロパシー with シンパシー

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 気合を入れて、隣地の草取りを断行。虫の種類の多いこと多いこと。毛虫やら幼虫やら。いったいどんな羽ばたく姿になるんだろうか、と虫かごで飼ってみたが土と同化してしまった。野生は思い通りにはならない。草木もそう。うまく育たない。ここいらは今年も背高泡立ち草の勢力が強い。昔はひどく腹立たしい外来種だと感じたが、次の話を聞いてから というもの、なんだか他人事でない、切ないシンパシーを感じる。 「アレロパシーを有し、根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出すが、この物質はやがて自身の成長も抑制していく。つまり自らの分泌物をもって、自らを滅ぼしゆく」という。  メダカが次々に孵化して困り始めている。空き瓶が足りない。  優生選別ではないと自分に言い聞かせながら、背びれの曲がった子を安全なみずかめに移す。  アジサイさんも、そろそろ株分けしようかしら。

七時雨

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 七時雨山。八幡平市の東方。一日に七回も時雨れることからそう呼ばれたらしい。  たしかに霧は光っているし、風は早い。向かい合う田代山に囲まれた広大な田代平高原は、牛の放牧や牧草つくりのほか高原野菜の栽培などもしており、牧歌的な雰囲気が漂う。  ここで開催されるクレイジーなレース(トレイルランニング)の実行委員長を兄が勤めている。そしてこのレースに全国から300人も参加するという。  その300人の変態に交ざって走ってきた。  結果は、33キロ7時間半の制限時間に対し、7時間2分(262位)。時速4.7キロ程度だから、つまり、ほぼ、走っていない。おそらく33キロ中、5キロくらいしか走っていない。走る練習はそれなりにしたのに。  スタート直後。300人の変態行列がヌカるんだ山を登る。一人が通れるほどの道幅。追い越せないし、後続にも道を譲りにくい。 山の葉脈に運ばれるような意思とは無関係のペースと、 放屁できないプレッシャーに疲労する。  そしてまた雨が降る。そこかしこで滑っているのだろう。上から下から絶叫マシーンのような雄たけびが聞こえる。ちなみに自分は、荒げる声を持っていないので、滑るのに堪えて黙々と筋肉をすり減らした。これがいけなかった。想像以上に大腿直筋がやられてしまい、10キロ過ぎあたりから既に膝から腿にかけて、プルプル痙攣していた。  最 高地点。七時雨の山頂は寒いし、腹も減るし、 いよいよ膝も笑い始めて、 いろいろ思い出して気を紛らそうとしたら、異常に感情的になってしまって、表情も泣いたり笑ったり繰り返した。やがて、足首、肩に次いでなぜか前腕部の筋肉も上がらなくなってきた。あと一回、登りか下りかあったらもう無理だな、と思ったときから、何度か、目を閉じて無になることに努めた。  気付けば、あれほどいた変態ランナーはあたりに見当たらず、ロードマラソン大会では経験できないような一人旅。コース合ってるよね、って幾度か呟きながら、口さみしさからか、携帯していた食糧は食べ尽くしていた。 リタイヤしても誰も運んではくれないし。目標はゴール、というより、ただ、帰りたい、その一心で足を持ち上げる。  やっと人間の感性を忘れかけた第3エイドあたり「がんばって!」とスタッフに励まされ、慌てて正気を取り戻す。気持ちは一歩二歩走ろうとするも、まるでヒゲダン...