フィールドオブドリームス その4 ~作付け~

 これで終わりではないが、フィールドオブドリームの、いよいよこれからが始まりに過ぎないが、ついにやっと、ここまで来た。ここまで来ましたよ。
 途中から友人を呼ぶことも、集まることもできない世界になり、もう腰も、大胸筋も、握力も、精神力も、疲労困憊です。
 まだなにも咲いていないのに、枯れそうです。

 フィールドに立てた枝笹は、サッカーのドリブル練習用ではありません。
 イワダレ草の苗を植えた場所の目印です。
 いよいよグランドカバー隊の出陣式です。
 これから緑一面に広がる勢力拡大図を定点観察。
 苗が定着したら、思う存分、踏みつけ工程代わりにドリブルします。









 食糧自給率の心もとないこの国で、世界物流が滞ったときのために、当初の予定にはなかった食物の作付けもしました。なぜか家にあった二十日大根の種をパラパラ蒔くと、土鳩が集まってきます。脅かすととりあえず逃げるように流木にとまります。
 そういえば、毎朝、何羽ものうぐいすがもうコンクールの練習しています。
 一羽だけ、高音の美しいのがいます。
 自分も見習わなきゃいけないと思いながら、今はただ土のなかに籠っています。







 ジャスミンの花も、アシュガの花も、テントウムシも春を謳歌しています。隣の青地から移植した紫陽花も一度はヘシャゲだけど息を吹き返して蕾を抱えました。

 人間の僕は、世界史の転換点にあって、ウイルスに怯えながら、大切なものについて考えています。

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