サンライズ瀬戸の内海 ~そのⅠ~

 
 旧友を訪ねて四国・香川へ。寝台特急サンライズ瀬戸。なかなか乗れない人気車両らしい。横浜を二二時過ぎに出て、寝て起きればもう、七時半に高松だという。到着初日からどっぷりに瀬戸内海に浸れる。離島行のフェリー始発便にも乗れる。
 と意気込んでぐっすり眠ろうとしたが、列車で横になると、意外に音と振動とアドレナリンで眠りにつけない。それはそれとして、個室だからとホテル気分で油断していたが、窓カーテン全開のまま、停車駅のホームからは丸見えなことに気づかずにアンダーウェアのみで、少なくとも二、三駅は過ごした。
 そうこうして、うつらうつらする途中、京都あたりの事故で遅れてる、ようなことを言っていた気がする。そんなこともあるのですか、と思いながら、半分夢の中で岡山で出雲行と切り離し、瀬戸大橋へ。到着は一時間遅れ、予定は狂ったが、気分は晴れやか。悪くない。

 高松からフェリーで離島へ。選んだ島は、男木島という人口200人足らずの島。
 まず車がいりません。集落に車道がありません。移動手段はモッパラ徒歩。

 それもあってか、とにかく、瀬戸内海が静かです。穏やかな内海はたしかに、宝石のように美しい。そこでのconversationは、猫が数十匹と、ランチをいただいたカフェの方のみ。静かなせいか、路地を歩くと至るところから、猫型住人の呼び声がする。ニャオ。(チャオと答える)

 カフェ『ドリマの上』でいただいた島の食材は、どれも素朴な発見に満ちている。女性にはキャーキャー喜ばれるが男性の方の感想はなかなか伺えないので、とコメントを所望されたが、十分、満たされてます、としか言いようがない。

 築100年以上の古民家は、二階が宿泊施設になっているという。
 これで登るんです、と案内された樹のハシゴ(なんの樹だったかしら)を「まじか」と思いながら登る。すごいですね、と言われて、なんかおかしい、と気づけばいいのに、これは高齢者や女性にはキツくないですか、と真顔で問うてしまった。キツいです、もしよろしければ下りは階段からどうぞ、と奥の階段を提示いただく。デスよねぇ。

 わずか半日でも居心地がいい。灯台もノスタルじい。波だった心が穏やかになる。今度はしばらく滞在してもいい。

 高松港では、高校の同級生で二〇年弱ぶりに会う旧友が待っている。思えば、寝台席も偶然のキャンセルで確保できた。この旅は、いいものになる、予感を胸に島を離れる。

港町

1番ねこ

2番ねこ

クロネコ

猫の陣形

猫の道案内

画像に含まれている可能性があるもの:植物、屋外
振り返れば猫

画像に含まれている可能性があるもの:猫、屋外
振り返れば猫(近し)

島の庭

はしごの下から
~まじ登んの?と見上げたが~

画像に含まれている可能性があるもの:植物、室内
はしごの上から

島の灯台





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