ファンタジスタ



 久しぶりの休みで、気づけばもう、ひまわりが夏らしく、南を向いて咲いていた。(夜の水やりのときしか見てなかったから驚いた)。


 一方、玄関の前で、メジロが一羽。美しく、息を引き取っていた。
 暑さのせいなのか。


 誰に聞いて、ここまで来たの?
 こんなに美しいまま
 どこからきて、
 どこへいったの?


 そうして、みんな、どこへいったの?



 と思っていると、懐かしい友人から電話あり。もうじき合宿を終えるとのこと。鹿島アントラーズの練習に参加することになったらしい。そのときマンUが彼を狙って偵察にくるらしい。噂の噂が広がってるらしい。とか、ぼくは聴きながら、嘘?とも本当?とも言わない。思わない。

 彼は、たまたま公園でフッチボールを蹴っていたときに出会った友人だが、E学園では関東選抜(本人談)で、視界の先に見据えていたのは世界基準だったらしい。

 それを真に受けた人が周りに何人いたが知らなかったが、ゲームをしたときに見せた一本のダイレクトプレイから、特筆すべき想像力(イマジネーション)が、はっきりと感じられた。

 このところは幻聴がひど過ぎるので、一緒に球蹴りはできないらしい。

 プレイヤーは年齢的に限界でないかい?と尋ねると、
「限界からが出発点だ」と思っている、という。

 やるな。

 野暮なこと訊いたよ。
 それでこそ、ファンタジスタだ。

 合宿先は、山奥の病院。

 ぼくは、いつまでも公園で待っていよう。
 彼のプレイのファンの一人として。





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